≪院長より≫
歯が無くなると、食事を美味しくいただいたり、会話を楽しむことが難しくなってしまいます。 | ||
食べにくいことで、単に栄養が不十分になるだけでなく、さまざまな全身の病気を引き起こします。 | ||
歯周病がひどくなると、歯周病菌が血管を傷めて、動脈硬化や心筋梗塞の原因になります。 | ||
歯周病の炎症をおこしている部位から毒素(サイトカン)がでてインスリンの作用を抑え、 | ||
糖尿病の原因にもなります。歯周病菌を誤嚥*しておこす誤嚥性肺炎は、高齢者にとっては | ||
命にかかわる恐ろしい病気です。 | ||
口腔は、全身の健康にも関わる重要な器官です。当院では、きちんと歯をなおすばかりでなく、 | ||
歯の噛み合わせ、嚥下機能、顎関節の動き、舌や口腔粘膜の状態などにも目を配り、 | ||
口腔外科の立場で診療にあたることをモットーにしています。 | ||
* | 誤嚥(ごえん)とは、まちがって食べ物や水分を気管に吸い込んでしまうことです。 | |
嚥下は食道に飲込むことですから、食道に入らずに気管に入ってしまうことが誤嚥というわけです。 | ||
若い人は気管に入れば、激しくムセて吐き出しますが、高齢者は反射が弱くなって吸い込んでしまいます。 | ||
特に、夜間、歯周病菌が溶けている唾液を気管に誤嚥することで、誤嚥性肺炎がおこります。 | ||
死亡記事を注意してみると、高齢者の死亡原因は、癌や脳卒中にかかっても、 | ||
最終的には肺炎でなくなることが多いようです。 | ||
もちろん食事中に食物を誤嚥して、窒息したり、肺炎をおこすケースもあります。 |